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経費とプライベートの境目

野々市・金沢・白山市を中心に活動している「かわした税理士のブログ」へようこそ!

業種にもよると思いますが、

お客様の獲得のルートとして、

「紹介」はとても重要なルートですよね。

そしてその紹介元は「親戚」「友達」「近所付き合い」だったりします。

PTAで知り合った人が後日お客さんとして来てくれたり、

子どもの習い事で知り合ったママ友を通じて紹介してくれたり。

そんなことがよくあります。

とてもありがたい話です。

プレゼントしあったり、一緒に飲食したり、

とても大事なお付き合いですよね。

これでお客様になってくれることがよくありますよね。

日頃のお付き合いがあって、信頼してくれて、

お客様になってもらえたわけですから、

ホームページや飛び込みでお客様になった人よりも、

強い信頼で結びついたお客様になることが多いですよね。

でも、

「親戚」「友達」「近所付き合い」にかかったお金、

これって経費になるでしょうか?

プレゼントにかかったお金、

一緒に飲食したときにかかったお金、

仕事上の経費になるでしょうか?

結論、

経費にはならないです。

「親戚」「友達」「近所付き合い」、

これらはどれもプライベートだからです。

じゃあ、どこまでが「仕事」で、どこまでが「プラベート」か、

それはどうやって決まるのか?

まずは、法律に書いてあるかどうか考えましょう。

日本は法治国家です。

法律が第一に来ます。

でも、法律はそんな細かいところまで決めていません。

では次は?

税務署です。

ただしこれは最終判断の場ではありません。

しかし、実務上はここで決着をつけるケースが圧倒的に多いです。

原則は法律ですが、税務署の現場では話し合いが重要です。

「今回はしょうがないが、次からちゃんとしてね。」とか

「判例はありませんが、税務署としては経費ではないという見解です」など

法律とは少し離れたところで決着がつくことが多いのが税務署です。

そして、最後に裁判所です。

法律では細かいところまで決まっていないので、

細かいところまでの判断を下すのが裁判所です。

そして、その判断は「判決」と呼ばれます。

さらにその「判決」は「判例」として将来の判断に活用されるのです。

で、ここが重要です。

この判断をする「税務署」と「裁判所」ですが、

この仕事をしている人はみんな「サラリーマン」です。

お客様の獲得のルートとして「紹介」はとても重要なルートで、

そしてその紹介元は「親戚」「友達」「近所付き合い」であること。

そんなこと、経営者の経験のがない「税務署」「裁判所」からすると、

知ったこっちゃない話です。

経営者から見ると「親戚」「友達」「近所付き合い」は、

とても重要なお客様獲得ルートで、仕事上欠かせないものですが、

サラリーマンの「税務署」「裁判所」から見ると、

ただのプライベートなんです。

「親戚」「友達」「近所付き合い」は文字面で見ると完全にプライベートです。

ここは反論の余地がないところですよね。

だから、経費にならないんです。

「税務署」「裁判所」の人の考えが実態に即していないのか、

「親戚」「友達」「近所付き合い」を仕事ととらえる経営者がおかしいのか、

どっちの考えが正しいのか?

どっちの考えが正しいのかはおいておいて、

単純に現実を見てみましょう。

経費かプライベートを判断することができるのは、

「税務署」と「裁判所」であることは揺るぎません。

問題は、どっちの考えが正しいのか?ではなく、

判断をするのは「税務署」と「裁判所」であること、

という揺るがない結論があることです。

経営者的な発想を国の判断基準としたいのであれば、

経営者が政治家を動かして、法律にするしかないと思います。

日本は法治国家であり、ちゃんとした手続きルールがあります。

経営者としては大きな不満があっても、

それに逆らうことはできません。

経営者は経費かプライベートかの判断をするとき、

このことをふまえて考える必要があります。

この判断基準は他のことでも同様です。

例えば、ロータリークラブの会費は個人の場合、

経費にはならないとされています。

会の目的が、親睦と奉仕だからです。

経営者から見ると、ロータリークラブは

仕事以外何物でもないと思います。

でも、判断は文字面の「親睦と奉仕」でされるのです。

「親睦と奉仕」、仕事とは関係ないですよね。

だったら、経費にはならないですよね。

そんな判断がされるのです。

「こんなのはおかしい!!」と、

税務署で叫んでも、裁判所でも叫んでも、

この現実は変わりません。

少し冷静になり、まずは現実を受け入れる必要があります。

そして、

この判断基準を変えるためのアクションを起こすかどうかは、

それぞれの方の気持ち次第です。

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