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ふるさと納税の仕組みをザックリと説明します。
野々市市在住のAさんの所得税の納税額が10万円だったとします。
市県民税も10万円(市6万円、県4万円)だったとします。
国10万円・石川県4万円・野々市市6万円という内訳です。
二人の子供がいて、長女は県立高校、長男は市立中学に行っています。
仕事で国道をよく利用しています。
そのAさん、ふるさと納税のサイトを見ていたところ、
大阪府のある市にふるさと納税すると、商品券もらえると知りました。
サイトで調べたら、ふるさと納税の上限は20万円。
早速申込み、商品券をゲットできました。
そして、確定申告をしたら、ふるさと納税の効果が出て、
所得税0円、市県民税も数千円だけにできました。
整理します。
支出した金額:20万円
得した金額:税金20万円+商品券
ふるさと納税したお金を税金と考えたら、プラスマイナスゼロです。
税金だけで考えたら、損も得もしていません。
得をしたのは商品券分です。
税金だけで見ると、損も得もしない、それがふるさと納税です。
ここは間違えないようにしましょう。
ここからは私の意見。
商品券分だけ、Aさんは得をしました。
嬉しいでしょう。
でも、大きなものを失っていないでしょうか?
しつこいようですが、私の意見です。
長女が行っている県立高校の費用は、どこからお金が出ているのか?
長男が行っている市立中学の費用は、財源はどこか?
仕事で使っている国道の維持費は、どうやって賄われているのか?
少なくとも大阪府のある市ではないです。
何度も言いますが、私の意見です。
倫理の問題なのか。
道理の問題なのか。
私はずっと不条理を感じています。
ふるさと納税で税額は変わりません。
景品で得をするかどうかの問題です。
景品で得をする代わりに、もっと大事なものを失っている気がします。