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「大企業にとって消費税は補助金だ!」
という話があります。
この問題について解説します。
消費税の計算方法ですが、
「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いて、
手元に残ったものを納める、という計算方法ですね。
では、なぜ補助金のようになるかというと、
消費税は「国内」で消費されるものにかかる税金です。
なので、トヨタのような輸出が多い企業の場合、
売ってるものが消費されるのが、
「国内」ではなく「国外」なんです。
となると、
売るときに消費税を預からなくていいんですね。
となると、
「預かった消費税」はゼロ、
でも、下請に部品代として「支払った消費税」はちゃんとある。
となると、
「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引くと、
マイナスになるんですね。
となると、
そのマイナスになった分は払い過ぎなので、
国が返してくれる(=還付)わけです。
というわけで、理論的には正しいのです。
大企業はズルをしているわけではありません。
でも、すごい違和感を感じますよね。
その違和感の正体はこれじゃないかな、
と思うものの話をさせてください。
販売価格っていうのは、売る側が決めれますよね。
もし、さっきの例で、
国内での販売価格が税込220万円だったとして、
海外への輸出価格が220万円だったら?
販売価格は自由に決めれるので十分ありえることです。
この場合、同じ220万円で売っているのに、
国内販売の分は普通に消費税を納税して、
海外輸出の分は消費税を返してもらえるんです。
同じ価格なのに・・・。
ズルいよ、って言いたくなりますよね。
実際の価格設定がどうなっているかは分かりません。
でも、上記のようなことがありえるんですね。
販売価格は自由に決めれるものであり、
その決定方法は絶対的なものではなく、
相手や時期や場所によって変わります。
販売価格は常にあいまいなものです。
そのあいまいな価格の10%が消費税です。
だから、消費税額自体も実はあいまいなものである、
と私は思っています。
このあいまいなものを言語化するのはとても難しいと思います。
だから、違和感を感じるのだと思います。
理論上は正しくても、感情面でスッといかない、
それが消費税なのかなと思います。