野々市・金沢・白山市を中心に活動している「かわした税理士のブログ」へようこそ!
税理士の資格は「無償独占」と言われています。
他の士業の資格には「有償独占」と言われるものもあります。
「無償独占」と「有償独占」、どう違うのか?
例えば、こう思ったとします。
「自分の税金は今年いくらぐらいになりそうか?」
この場合でこう言ってくる人がいたらどうでしょう?
「私は税理士じゃないけど、タダで計算してあげますよ。」
これが許されるのが「有償独占」です。
それに対して、許されないのが「無償独占」です。
タダでもNGなんですね。
現行の法律は後者です。
タダでやったとしても税理士法違反になります。
税理士は「無償独占」ですが、
他の士業の場合、
「タダでしてあげますよ。」がOKになる資格もあります。
これが「有償独占」です。
どの士業がどれかは別途ググってくださいませ。
税理士の「無償独占」はなかなかスゴいです。
例えば、アパート建設は相続税の節税効果がありますが、
ハウスメーカーの営業マンが営業をしているとき、
「あなたはアパートを建てたら、相続税がこんなに減りますよ!」
という説明をできないんです。
税理士法違反になるから。
相続税の生命保険の非課税制度というものもありますが、
これも同様で、保険マンが営業で、
「あなたはこの保険に入ったら、相続税がこんなに減りますよ!」
という説明をしたらアウトです。
一般的な制度の説明や、税率の説明は税理士法違反にはなりませんが、
個別の具体的な相談はアウトです。
上記で言えば「あなたは・・・」というところがミソです。
「あなたは・・・」になると個別の具体的相談になります。
お客様の個別相談には答えられないんですね。
なので、ハウスメーカー営業マンなどは、個別の説明をするときは、
税理士と帯同して、税理士から説明してもらわないといけません。
というのが現行の法律です。
税務について、信頼度の高い仕組みを国民に提供する、
という意味合いの制度です。
マーケティング的な観点からすると、
税理士にとっては、
他業界からの高い高い参入障壁になるので、
こんなにありがたい制度はありません。
一方、ハウスメーカー営業マンなどからすると、
非常に面倒くさい制度ですね。
いちいち税理士を呼ばないといけないので。
さて、この制度、将来的にはどうなるのでしょうか?
ChatGPTなど、AIが急速に発達してきています。
税理士の高い専門性を備えたAIの登場に現実味が出てきました。
現状のクラウド会計ソフトはまだまだ人間の力が必要ですが、
近い将来にはどうなることか。
AIも、信頼度の高い仕組みを国民に提供できるように
なるのかもしれません。
さらに、情報は世界を同時にかけめぐる時代となりました。
日本の税務についても例外ではないでしょう。
世界のどこかのAIが日本の税務を行う時代が来るかもしれません。
そうなってしまったら・・・
税理士法の「無償独占」も危うくなる日が来るのでは?
と思わざるを得ません。