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親族とのお金のやり取りには厳格な規定がある。
親族に給料を払ったり、
親族から不動産を買ったり、
親族に高価なものを贈与したり(ただであげたり、)
こんなとき、税金の考え方では、
「それがちゃんと時価で行われたかどうか?」
「世間の相場とかけ離れていないか?」
がすごく大事になってきます。
なぜ「世間の相場」とかけ離れたらいけないのか?
なぜ「世間の相場」とかけ離れたらいけないのか?
その答えはこれです。
「金額を調整することで、税逃れができるから。」
片方が損をして、片方が得するだけなんだからいいんじゃない?
と思われるかもしれませんが、
それは実は違うんですね。
税金の規定はそんなふうにはなっていないんです。
例えば給料
例えば給料の多い・少ないの問題があります。
これで税逃れができるんですね。
ご存知のとおり、
所得税は「累進課税」という税率の構造になっています。
所得が多ければ、税率が上がってどんどん税金も増える、
逆に、所得が少なければ、税率が低くて税金も少ない。
こんな構造なんですね。
ですので、ここで給料を使って調整をすることができます。
所得が多い人から、所得の少ない人に、給料というかたちでお金を移すんです。
そして、二人とも所得をほどほどにすると、
二人の税率もほどほどになって、合計の税額が少なくなる、
なんて調整ができてしまうんです。
ずるいですよね。
給料を払うことは普通なので、そこは否定できません。
しかし、「世間の相場」以上の給料を払って調整してたらどうですか?
やっぱり、ずるいですよね。
例えば、不動産売買
親戚が「土地がほしい」と言ってきました。
もともとその土地は同じ親から相続したもので、
親族間でも「どっちものでもいいよ」という土地だったとします。
世間の相場では2000万円。
2000万円で売買すれば、その2000万円に対して税金がかかります。
そこで悪知恵がひらめきます。
「500万円で売買すれば、税金も4分の1でいいんじゃね?」
この方法がまかりとおってしまうと、国の立場としては、
差額の1500万円の税金がとりっぱぐれになるわけです。
国は考えます。
「よろしくない。」
第三者だったらどうか?
このような問題が、親族間でなくて、
全くの赤の他人どうしだったどうでしょう?
どっちかが大きく得をして、どっちかが大きく損をする取引、
そんな取引、赤の他人とはしないですよね。
赤の他人どうしの取引、いわゆる第三者との取引はほとんど場合、
「合意で決まった金額」=「世間の相場」になるわけです。
そう考えるのが普通ですよね。
なので、他の取引の例と比べて、ちょっと高い安いがあったとしても、
それは個別の事情があっての違いに過ぎないので、
それは「世間の相場」と考えていいですよ、という感じになります。
まとめ
起業をするときに、親族からの協力をもらうことはよくあることです。
まったく独力で起業というのも難しいのではないでしょうか。
でも、親族の間でお金のやり取りをするときは、ちょっと気をつけましょう。
「世間の相場」とずれていたら、税務署から思わぬ指摘を受けるかもしれません。
こんなことで最初からつまづきたくないですよね。
親族間の助けはありがたいけど、税金には要注意です。